息子が樹海で保護された日③
3人で宿泊したホテルを出た私達は、息子を連れて自宅に
戻りました。青白い顔をした息子も、一人暮らしのマンションに
直接帰りたいとは言いませんでした。
週末に続けて、会社は3日間、有給を取っていると言っていました。
自宅に着き、昨日の出来事について話を聴こうと、息子の答えを
待ちましたが、息子の口は重く、やっと開いた口からでた言葉は
きのうと同じものでした。
暖かい食事とお風呂を用意し、息子が自然に話してくれる時を
待つことにしました。
息子がお風呂に入っている間に、夫が息子のリュックの中身を
見ました。精神薬と思われる数種類の薬と飲みかけのペットボトルの
水が入っていたようです。
息子は就職して福岡に配属された時にパワハラにあい、心療内科に
通っていました。東京勤務になっても、こちらで通院していたの
でしょうか?それとも福岡での薬の残りを持っていたのでしょうか…?
息子は実家に3泊したのち、「明日は会社に行くから」と自分で
借りているマンションに戻ると言いました。
結局、何も聞きだせないまま時が過ぎてしまいました・・
「会社に行く」と言う言葉を信じ、仕事を休んだ夫と車で息子の
マンションまで送ることにしました。日用品や食品を運ぶという
名目でしたが、本当は息子の部屋に ”遺書” があるのか、知りたかった
のです・・・